【王妃の谷】3000年の時を超えた傑作・ネフェルタリの墓
どうも、早く自粛期間終わってほしいです。ツーリング、飲み会におぼれたいと思ってるけど今の家に友達がいないひとりしっぽり飲み会男です。
今回は、王妃の谷にたどり着けたのか、前回の続きですね。
【ひたすら漕いで王妃の墓へ】
王家の谷を出る。行きに登り坂だったこともあり最強の下り坂が続きます。
漕いだら30km/hは出そうな勢い。とにかく急ぐが、飛ばすと体がついてこないので休憩がてら景色を嗜む。
素晴らしく岩壁に囲まれた道路。自転車で世界一周してますと言わんばかりの絵面。そんなことを考えながら風を感じながら、坂を下りきった。
下りきった先に待っているのは、緩やかな長距離の登り坂。行き下ってたの忘れてた…悲しみながら、大汗をかきながら漕ぐ。これも最も美しいと言われた女性のため。いや、墓だけど。
ここまでの予定だと次の日にはエジプト南部の町アスワンへ発つ予定だったのである。
それもあって、絶対今日見たいと考えていた。
周りに観光客はいない。それどころか、通りすがる車には帰れというジェスチャー。
信用できないエジプト人を無視して進むと、全部閉店しているお土産屋さんが見える。まさにシャッター街(そこまでではない)が見えてきた。さすがにやってないかと思ったが、ダメ元で行くことに。
そして、Google Mapを地図にようやくついた。4時30分。
自転車を止めて、持物検査へ。
警備員の第一声「もう終わってる。」
「いや、閉園5時までって知ってるからまだ10分あるじゃん」
「頼む、5時には帰ってくるから。マジで。約束するから。」
警備員「わかった。ここに5時だからな?ここに5時だぞ?いいな?」
「もちろん、約束する。」
警備員「走っていけ!!もう時間ないぞ!」
いや、焦らせるのはいいけどもう帰ろうとしてるやん…
そもそも、終わってるって何…と思いながら、ネフェルタリの墓へ急ぐ。
もちろんここには観光客は自分以外誰もいなかった。静寂に包まれた古代エジプトの墓がそこにあるだけだ。ネフェルタリの墓のほうを見ると2人の男がいるのが分かる。
ひとりの男は同じように「もう終わった」と言う。
しかし、ここまで来て帰るわけにはいかないし押せば入れるということは知っている。なんせ時間はまだ4時半過ぎ。30分はあるわけだ。
彼は折れた。その内、ひとりの男性が近寄ってきてwelcomeと言わんばかりに歓迎してくれた。この人いい人だと思った。
そして名簿に名前が書かれる。(場所によってはルクソールパスを使っていると名前を書かれます)
墓の外には、発見されてからのことなどが書かれている。
【3000年の時を越えたネフェルタリの墓】
鍵をわざわざ開けてくれて、いざ入場する。
薄暗い空間が広がる。少し階段を下り進んでいくと、こりゃやばい。見るからに色が違う。
3000年の時を超えて、このレリーフが存在していることが素晴らしく感じられる。
感動で声を失うほど。そして、聞こえてくる音は警備員の頼んでいないガイドの声だけだ。
色がはがれている部分はあるものの、このクオリティを3000年と考えるだけで脱帽。
古代エジプトの歴史で有名なラメセス2世の王妃の彼女がどれほど美しかったのかはレリーフからも感じられる。
書き加えられたのかは不明だが、涙を流しているように見えるレリーフや、腕のタトゥーもきれいに残っている。
エジプト神のレリーフもとてもきれいに残っていて、何かの儀式の描写もはっきりとわかる。
エジプトまで行って、ここに行かないのは本当に損だと思う。
確かに約1万円の入場料は高いけれども、今しか見れないと考えると少し安く感じる。エジプト政府も、ここは何としてでも保存したいという思いから、この値段と滞在時間になっていると思う。
【アメンヘルコプシェフ王子の墓】
ここは、ラメセス3世の王子の墓で、レリーフにも子供が描かれている。
中に入ると、えい児のミイラがある。確かに、子供が描かれていることはわかったが、王子の墓だとは知らなかった。帰国後に知った。
この墓は全体的に色が薄いが、どこか温かみがあったことは覚えている。
幼いころに無くなってしまったのだろう。当時の平均年齢は20~25歳と短命であったが…。(ラメセス2世は90歳まで生きたとか…)
玄室には、人型の石棺があった。
【タイムオーバーの王妃の谷】
アメンヘルコシェプの墓を出た時には、時刻は4時55分。
バクシーシねだりを潜り抜け、帰途へ着く。
入場ゲートまで行くと、そこにはもう誰もいなかった。
「いや、あいつら帰るの早くないか…」
しっかり定時、というよりも全然早い気がしたけども…
そして、陽の沈み始めたルクソールの夕焼けと風を感じながらボート乗り場へと向かう。
他のお墓も見たかったが、時間もなかったのでまた次回のお楽しみにしておこう。
ぴょんす